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柿坪満実子_展覧会テキスト

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柿坪 満実子 個展「nobody」2021. 6/1-6/12

“わたしを見ている目はやがてわたしを見失い
あなたが目を注がれても
わたしはもういないでしょう“
(日本聖書協会『聖書 新共同訳』ヨブ記7・8)

 

「protect」 2021
2月に作品が破壊され、守ることを意識するようになった。
人間未満の人間/いつかは滅びる存在として制作した土人形ゴーレムの作品「にんげん」を綿や布で縫い
包みながら大切な存在が大切に見える方法を探した。
人も皮膚や衣服に守られて生きている
失ったものを取り戻すために補われた傷や隙間は見えなくてもそこに在る。
自分や誰かにも傷や埋められない隙間があることを忘れないように
透けない身体に守られている人にとって protect が形代になれることを願う。

「cocoon」 2021
幼い頃から持っているお守りから着想を得た作品
そのお守りは糸で編まれた袋の中に小さなマリア像が入っている。
人の身体が透けないように、その袋を身体と見立てた。
cocoon は大切なものを受け入れるための場所、そのままでいることが許されるための身体。
わたしは袋の中に、破壊され生まれた欠片を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

「someday somewhere」 2020

ある日、見舞いもお別れもできなかった人の訃報が届いた。
死んだという実感よりも、形を失いここにはいられなくなったと感じた。
誰かのことを思う時に、景色や側にあった物を辿ることで存在を感じる時がある。
人の形よりもその人のそばに在るものや景色の方がその存在を証明していて、
物や景色は身体を失ったエネルギーの新たな身体であり、遺された人にとって変化したその人の形ではな
いだろうか。
自室や病室・死と生のイメージとして窓と船を作り、誰でもない人として足の台を合わせた作品

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